『産後クライシス』を読んで
『産後クライシス』内田明香、坪井健人
ポプラ新書(2013)
この本を読んで怖いなと思ったのは、夫の育児への関わり方についてです。
初めての子どもを授かった頃、夫は胎教のCDを買ってきたり、おなかに話しかけたりと、おなかの赤ちゃんにメロメロだったと言います。
(中略)
ところが、無事子どもが産まれ、病院から戻った礼子さんを待っていたのは「無関心な夫」でした。
(中略)
夜泣きが何日か続いたある晩のこと。昼間も頻繁に授乳していますから、礼子さんはまとめて眠る時間がとれずくたくたです。普段は子どもが泣いても起きない夫が珍しく目を覚ましたので、「寝かしつけてくれるかな?」と思ったその瞬間、夫の口から出たのは「俺、明日早いんだけど」の一言でした。
これ怖くないですか?
怖い。怖すぎる。
何が怖いかって、赤ん坊の誕生前は一緒に喜びを分かち合っていた夫が、誕生後は育児を他人事のように捉えるようになってしまっていることです。
この礼子さん、めげずに第二子も妊娠しています。子どもが二人目になれば夫も変わるのではないかと期待したのです。でもここでさらに恐怖の事態に。
「奥さんが入院している間、上の子の面倒でもみたらどうだ」
職場が配慮して出産後、1週間の休みをくれたのでした。ところがせっかくの「育休」に夫がしたのは、趣味のラジコンショップ通いでした。
(中略)
「上の子の相手もしないで、結局、自分の好きなことしてるだけじゃない!」
後に礼子さんはこの事件を「偽装育休」と名付けました。
罪深いのは、夫に「悪気がない」ということですね。
この本の著者の周囲の男性も、この事件について、「悪循環になっているだけだ」という認識だそうです。
男の人はこういう言動が妻を傷つけてしまう、という事実を、本当に理解ができないんでしょうね。
ここで言いたいのは、「だから男はダメなんだ」という話ではなく、「じゃあこの状況を打開するにはどうしていったらいいのか」ということです。
産後クライシスが起こる典型的なケースは、夫が育児・家事を妻任せにしている言動をしたときだそうです。
ここで、妻が『察してよ』アピールをしても夫には通じないのだそうです。
そう。まず妻が知ったほうがいいことは自分の心身の状態を「言葉で伝えなければ夫は理解できない」ということです。
よく分かります。
女性は言葉にしなくても分かってくれるだろうと思いがちです(私もです)が、男性は女性よりも察する能力が低いと言われているので、伝わらないんですよね。
夫婦間のコミュニケーションで起こりがちな問題点ですが、育児に関してもそれは同じなんですね。
私も今後、夫に嫌がられるかも…と恐れずに、してほしいことはきちんと伝えるようにしようと思います。
ところで、話はかなりそれますが、我が家は「里帰りしない出産」です。
しかも、親の手伝いもなし。それが一般的に大変なことだということは分かっていたので、以下の体験記を読んで、それなりに準備しようとしていました。
特に3つめのブログはかなり具体的で、参考になりました。
ここに書いてある12の項目のうち、半分は準備済みです。
・宅配弁当のお試し利用
・生協の利用開始
・Amazonファミリーの登録
・食洗機の購入
・ねんねトレーニングの本を読んでおく(ざっとしか読んでいませんが)
・産後ヘルパー会社への登録
ちなみに、宅配弁当は安くて評判のよいヨシケイを使いたかったのですが
私の住んでいる地域では取り扱っていませんでした。とほほ。
産後ヘルパーはKIDS LINEを登録しました。
私の住んでいる自治体では、産後ヘルパー・ドゥーラや産褥シッターの助成はなし。これまた、とほほ。
ただ、会社の福利厚生が使えそうなので、これからしっかり調べておきたいと思います。
キッズライン | ベビーシッターマッチング・病児保育/一時保育
さて、話は戻って。
この本では、産後クライシス対策として以下の結論をあげています。
・「里帰り出産をしない方が夫婦関係が良好」(横浜創英大学 久保恭子教授の研究結果)
→里帰りの場合、妻が先に母親になってしまい、母親・父親としてのスタートがずれる。初期に夫が戦力外になってしまう。
・「育休は産後クライシスの特効薬」「まずは産後一週間の有給消化」
→育休をとれば育児のスタート期を夫婦でそろえることができます。
そう、「里帰りしない出産」を推奨しているんですね。
そしてこれを読む前から、夫の一週間の有給(私の退院後)はすでに決めていたことです。
怖いことばかり書いてあり、産後について一抹の不安を覚えた私でしたが、結論部分で自分たちの選択はきっと大丈夫…と不安な気持ちを少し払拭することができました。
それでもやっぱり大変は大変だと思うのですが、ここを夫とともに乗り切ることができたら、産後クライシスも怖くないと思うのです。